名前¶
Crypt::ECB - ECBモードでデータを暗号化します
概要¶
Crypt::ECB OO形式で使う場合
use Crypt::ECB;
$crypt = Crypt::ECB->new;
$crypt->padding(PADDING_AUTO);
$crypt->cipher("Blowfish") || die $crypt->errstring;
$crypt->key("some_key");
$enc = $crypt->encrypt("Some data.");
print $crypt->decrypt($enc);
関数形式のインターフェースで使う場合
use Crypt::ECB qw(encrypt decrypt encrypt_hex decrypt_hex);
$ciphertext = encrypt($key2, "Blowfish", "Some data", PADDING_AUTO);
$plaintext = decrypt($key2, "Blowfish", $ciphertext, PADDING_AUTO);
$hexcode = encrypt_hex("foo_key", "IDEA", $plaintext);
$plain = decrypt_hex("foo_key", "IDEA", "A01B45BC");
説明¶
このモジュールはECBモードのPerlだけによる実装です。DES、IDEA、Blowfishのような ブロック暗号と組み合わせ、任意の長さのメッセージを暗号化し復号化することが できます。しかし安全上の理由から、CBCのようなECBではないモードのほうがいい でしょう。なぜなのかを知りたければ暗号についての教科書をご覧ください。
このモジュールの機能はOOメソッドあるいは標準の関数呼び出しによってアクセス することができます。例えばBlowfishのような暗号化するモジュールがインストール されていなければならないことを忘れないでください。文法はCrypt::CBCの ものに従います。つまり例えば、鍵を変更したり、新しい暗号オブジェクトを 作ることなく暗号化することができますなど、Crypt::ECBはより柔軟ですけれども、 Crypt::CBCとまったく同じようにアクアセスすることができます。
メソッド¶
new(), key(), cipher(), padding()¶
$crypt = Crypt::ECB->new;
$crypt->key("Some_key");
$crypt->cipher("Blowfish") || die $crypt->errstring;
$crypt->padding(PADDING_AUTO);
print $crypt->key;
print $crypt->cipher;
print $crypt->padding;
$crypt = Crypt::ECB->new("Some_key","Blowfish");
$crypt->cipher || die "'Blowfish' wasn't loaded for some reason.";
new()はそれを使う変数を初期化します。オプションのパラメータは鍵と、 暗号です。パラメータなしで呼ばれたら、暗号化をはじめる前に key()と cipher()を呼ばなければなりません。鍵だけをつけて暗号を 渡さなければ、Crypt::CBCとの互換性のため'DES'になります。
key()は、パラメータが与えられると鍵に設定します。常に鍵を返します。 暗号化モジュールによっては、厳密な長さの鍵を必要とするものもあることに 注意してください。例えばCrypt::Blowfishは8バイトの鍵を要求します。
cipher()はパラメータが与えられるとブロック暗号に設定します。 対応するモジュールをロードしようとします。エラーが起きたら、0を返し $crypt->{Errstring}を設定します。そうでなければ、暗号の名前を返します。 利用できるPerlのためのフリーのパッケージには、例えばBlowfish、DES、 IDEAがあります。パラm−エタなしで呼ばれると、単に暗号の名前を返します。
padding()は、暗号のブロックの大きさの倍数になるまで、どのように データがパディングされるかの方法を設定します。今のところ2つの方法が 実装されています:PADDING_NONEが設定されるとパディングは行いません。 そのときには正しいパディング(そして切捨て)を、あなた自身が面倒みなければ なりません。PADDING_AUTOに設定されるとECBモジュールはパディング (そして復号化のさいの切捨て)を、Crypt::CBCが行うのと同じ方法で扱います。
デフォルトではパディング形式はPADDING_NONEに設定されています。つまり あなたが気にせず、あなたのデータが正しい長さでなければ、モジュールは 文句をいい、それによって、あなたが本当にどうしたいかについて考えさせます。
start(), mode(), crypt(), finish()¶
$crypt->start('encrypt') || die $crypt->errstring;
$enc = $crypt->crypt($data1)
. $crypt->crypt($data2)
. $crypt->finish;
$crypt->start('decrypt');
print $crypt->mode;
start() は暗号化モードを設定し、鍵や暗号など全ての必要な変数が 設定されているかをチェックします。パラメータには'e'または'd'で始まる 単語が許されます。このメソッドは設定されたモードか、エラーが 発生したときには0を返します。
mode() はパラメータなしで呼ばれ、設定されているモードを返します。
crypt() は引数として与えられたデータを処理します。引数が与えられないと、 $_が処理されます。このメソッドは処理されたデータを返します。 データが処理できるように、暗号と鍵が設定されなければなりません。 もしこれらがなければ、あるいはstart()が先に呼ばれていなければ、 このメソッドはdieします。
処理される全てのデータをcrypt()に送り終わったら、バッファに残っている データをフラッシュするため、finish()を呼ばなければなりません。
caching()¶
$crypt->caching(1); # キャッシングがオン
$crypt->caching(0); # キャッシングがオフ
print $crypt->caching;
キャッシング・モードが返されます。引数が与えられると、キャッシング・モードが 設定されます。caching()がtrueに評価されれば、キャッシングがオンです。 そうでなければキャッシングはオフです。デフォルトではキャッシングはオンです。
このキャッシングはなんでしょうか?Crypt::ECBモジュールは何らかの オブジェクトを通して暗号モジュールと通信します。暗号オブジェクトを 作ることは、暗号モジュールが初期化をしなければならないために、 いくらか時間がかかります。そこでキャッシングは、キャッシングがオフになるか、 鍵や暗号モジュールが変更されるまで、同じ暗号オブジェクトが使われることを 意味します。キャッシングがオフであれば、crypt()やfinish()が 呼ばれるたびに新しい暗号オブジェクトが生成され、これらのメソッドの 終わりで破壊されます。キャッシングを使って暗号化することは、キャッシングなし よりもかなり早くなります。
encrypt(), decrypt(), encrypt_hex(), decrypt_hex()¶
$enc = $crypt->encrypt($data);
print $crypt->decrypt($enc);
$hexenc = $crypt->encrypt_hex($data);
print $crypt->decrypt_hex($hexenc);
encrypt() と decrypt() は、あなたに代わってstart(), crypt() そして finish()を呼び出す便利なメソッドです。
encrypt_hex() と decrypt_hex() は16進表現で暗号文を扱う 便利な関数です。これらは以下のものと完全に同じです
$hexenc = join('',unpack('H*',$crypt->encrypt($data)));
print $crypt->decrypt(pack('H*',$hexenc));
これらの関数は、例えばe-メールメッセージ、WebページあるいはURLに 暗号化されたメッセージを入れたいときには便利かもしれません。
errstring()¶
print $crypt->errstring;
cipher() や start()などいくつかのメソッドはエラーが起きると 0を返します。$crypt->errstringを呼ぶことによって、より詳細な エラーメッセージを受け取ることができます。
変数¶
外側の世界が興味を持つかもしれない変数には以下のものがあります:
$crypt->{Key},
$crypt->{Cipher},
$crypt->{Module},
$crypt->{Keysize},
$crypt->{Blocksize},
$crypt->{Mode},
$crypt->{Caching},
$crypt->{Padding},
$crypt->{Errstring}.
変数は直接設定してはいけません。代わりに上記で説明したメソッドを 使ってください。読込は問題ないはずですが、これも上記のメソッドに よって提供されています。
定数¶
パディング形式に名前を付ける2つの定数がデフォルトでエクスポートされます:
PADDING_NONE => 0
PADDING_AUTO => 1
関数¶
便利な暗号化や復号化は通常の関数によっても行うことができます。 その関数は:encrypt(), decrypt(), encrypt_hex, decrypt_hexです。 このモジュールは賢いので、これらの関数がOOコンテキストで呼ばれたのか そうでないのかが判ります。
encrypt(), decrypt(), encrypt_hex(), decrypt_hex()¶
$ciphertext = encrypt($key, $cipher, $plaintext, PADDING_AUTO);
$plaintext = decrypt($key, $cipher, $ciphertext, PADDING_AUTO);
$ciphertext = encrypt_hex($key, $cipher, $plaintext, PADDING_AUTO);
$plaintext = decrypt_hex($key, $cipher, $ciphertext, PADDING_AUTO);
encrypt() と decrypt() は与えられたテキストを処理し、 それぞれ暗号文(encrypt)や平文(decrypt)を返します。データとパディング形式は オプションです。しかしデフォルトではなにもパディングが行われないことを 忘れないでください。データが省略されると、$_が使われます。
encrypt_hex() と decrypt_hex() は暗号文(=cipertext)を16進表現で 扱います。それ以外の使い方はencrypt() や decrypt()と同じです。
バグ¶
私が知っているものはありません。
TODO¶
他のブロック暗号モードCBC, CFB そして OFB が実装されるかもしれません。
base64エンコードを使う便利な暗号化、復号化関数が追加されるかもしれません。
著作権(=COPYING)¶
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作者¶
Christoph Appel, [email protected]
参考資料¶
perl(1), Crypt::DES(3), Crypt::IDEA(3), Crypt::CBC(3)
翻訳者¶
川合孝典([email protected])